盆栽の素材づくり
種を蒔いて生長させ、素材をつくるのが、実生による方法です。実生から盆栽として眺められるようになるまでには時間がかかりますが、樹種によっては実生1年目からミニ盆栽として楽しめます。
●実生の長所
一度に多くの素材をつくることができるので、素直で傷のない素材を選ぶことができます。また、実生の欠点は、親木の素材をそのまま受け継ぐことがほとんどないことです。優れた素質のある親の種を蒔いても、その素質を受け継ぐとはかぎりません。一方、いろいろな素質のものが出てくるので、思いがけない良性のものが出てくる可能性もあります。
●種を蒔く時期
採取した種は、すぐに蒔くほうが自然でよいですが、凍害や乾燥など冬の管理が面倒になります。管理設備がないときは、種が乾燥しないように保存して、翌春に蒔くようにします。
●蒔き方
種は蒔く前日に水につけておき、水に浮いた種は発芽しないので取り除きます。蒔く際には、発芽して育ったときに葉が込み合わない程度の間隔に蒔き、種が隠れるくらいに土をかぶせます。蒔き終えたら、土が流れないように細めのジョウロでたっぷりと水をやります。
挿し木による方法
木の枝や根の一部を切り取って挿し、発根させて新しい素材をつくり出す方法です。
●挿し木の長所
第一に挙げられるのは、親木と同じ素質をもった素材をつくることができる点です。木の一部を利用するので、作業的に簡単であるうえ、素質の同じ素材を何本もつくることができます。花が咲くようになった枝を挿し木すれば、その年から開花を楽しめるものもあります。また、挿し木の欠点は、同じ種類の木でも、発根しやすいものとしにくいものがあり、実際に試してみないとわからないことです。
●挿し木の適期
1年枝以上の古枝を挿し穂に用いるときは、眼が動き始める前の2~3月、今年伸びた梢を挿し穂にするときは、梢が固まる6~9月が適期です。
●挿し穂の仕方
剪定や植え替えのときに切り落とした枝や根を生かすとよいでしょう。模様の面白い部分を挿し穂にすると、根づいたらすぐにミニ盆栽として楽しむことができます。
●挿し方
穂がやや斜めになるように挿します。穂の切り口をいためると発根が悪くなるので、挿すときは竹ばしなどで穴をあけてから、ていねいに挿します。
●挿し木後の管理
新しい芽が動き出すまでは、半日陰に置き、芽が伸びてきたら、日当たりのよいところに移します。挿し木後に鉢をビニールで覆う「密閉挿し」をすると、挿し穂の蒸散が抑えられ、活着がよくなります。
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